【5月24日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の4番目の有人月着陸ミッション、「アポロ15号(Apollo 15)」で使用された着陸船の操縦桿(かん)が23日、インターネット競売に出品され、NASAの宇宙船関連の品としては史上最高値とみられる61万63ドル(約6220万円)で落札された。

 今回のオークションを実施した希少な収集品を専門に取り扱っている米マサチューセッツ(Massachusetts)州の競売会社RRオークション(RR Auction)は、落札者に関する詳細は明らかにしていない。

 宇宙探査の歴史とゆかりの品々を紹介するウェブサイト、collectSPACE.comを開設しているロバート・パールマン(Robert Pearlman)氏はAFPに対し、「公開オークションで落札された品としては、最高値が付いたと考えられる。少なくとも、NASAの宇宙船に関連する物の中では最高値だ」と語った。

 スプリングが使われ、ケーブルが接続されている操縦桿は、アポロ15号のデービッド・スコット(David Scott)船長が所有していた。船長は1971年のミッションで、地球帰還を前に月面着陸モジュールから操縦桿を取り外して記念品として持ち帰っていた。

 現在は国際宇宙ステーション(International Space StationISS)しか有人宇宙飛行計画がないこともあり、宇宙関連の収集品の価格はこれまでにない上昇傾向にあると専門家らは指摘している。

 同日の競売ではこのほか、スコット船長が所有していたアポロ宇宙船の乗組員用光学照準器が12万6179ドル(約1287万円)、元宇宙飛行士のバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)さんが、人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号(Apollo 11)のミッションで着用したグローブが6万1212ドル(約624万円)で落札された。(c)AFP