【3月17日 AFP】大気汚染レベルの急上昇に歯止めをかけようとするフランスの首都パリ(Paris)では、思い切った対策として17日から、自動車のナンバーの末尾が偶数か奇数かによって通行を制限するナンバー規制を導入した。

 現地時間午前5時30分(日本時間午後1時30分)から、パリと周辺の22の地区でナンバー規制が20年ぶりに実施された初日、ナンバー末尾が偶数の車両は市内の通行を禁じられた。市内60か所に警官約700人が配置され、ナンバー末尾が奇数の車が流入しないよう警備にあたった。

 パリ市内では、車で乗り入れないよう住民に奨励するため、前週末から公共交通の利用を無料にしている。一方、フランス国鉄(SNCF)では、このナンバー規制の影響で、市内と郊外をつなぐ電車がラッシュアワーには満員になるとウェブサイトで注意を喚起した。

 規制については毎日実施を検討し直す。18日も規制の延長が必要と判断されれば、今度は末尾が奇数ナンバーの車両が通行を禁じられる。

 パリ市当局によれば、駐車についてはナンバーによる制限はない。当局では市民に自家用車の相乗りを奨励している。

 しかし、規制について知らない住民や、故意に無視している住民もいる。規制に違反した者には即金で22ユーロ(約3100円)あるいは3日以内に35ユーロ(約4900円)の支払いが科されうる。なお、電気自動車とハイブリッド車、さらに3人以上が同乗している車両は規制の対象外。

 フランスで今回と同様の思い切った措置が導入されたのは1997年以来だという。(c)AFP/Abhik CHANDA