【2月4日 AFP】まるでSF映画のようだが、交通事故を避けるために、米国の路上を走る自動車同士の間でまもなく「会話」ができるようになる。

 米運輸当局は3日、「車車間(Vehicle-to-VehicleV2V)通信」と呼ばれる技術の採用を承認した。V2V通信は、衝突を避けるために速度や位置といった基本的な安全情報を自動車間で交換する技術だ。

 アンソニー・フォックス(Anthony Foxx)米運輸長官は、承認に関する発表の中で「V2V通信技術は、すでに我々が目にしている安全ベルトやエアバッグといった救命設備の上に築かれた自動車の安全性向上の、次世代を代表するもの」だと語った。

 今回の承認に先立ち、2012年より試験プロジェクトが行われてきた。ワイヤレス通信を装備した車で、交差点の死角で衝突する可能性や前方に停車している車の存在を知らせるなど、様々な危険についてドライバーに警告を発する実験が実施済みだ。

 当局によればV2V通信は、後部からの追突や車線変更時の事故、交差点での衝突などを回避するのに役立つ。ただし自動ブレーキシステムや自動運転システムは含まれていない。

 新しい技術のための規則を定めるために、米道路交通安全局(National Highway Traffic Safety AdministrationNHTSA)では現在、分析の仕上げに入っており、意見公募をするための報告書を発表する予定だ。NHTSAによれば、V2V通信システムには「セキュリティーやプライバシーを保護する策が重層的に」含まれているという。(c)AFP