【12月23日 AFP】米アマゾン・ドットコムはこのほど、同社での仕事に応募した北朝鮮人1800人以上を確認・阻止したことを明らかにした。北朝鮮は、外貨獲得と資金洗浄を目的に、多くのIT労働者を国外に派遣している。

アマゾンの最高セキュリティ責任者(CSO)であるスティーブン・シュミット氏は先週、ビジネス向け交流サイト「リンクトイン」への投稿で、北朝鮮の労働者が「特に米国を中心に、世界中の企業でリモートIT職を確保しようとしている」と指摘した。

同氏によると、北朝鮮のIT労働者は通常、米国にあるコンピューターを国外から遠隔操作する「ラップトップファーム」を使用している。過去1年間では、北朝鮮人による応募が約30%増加したという。

この問題についてシュミット氏は、アマゾンに限らず、「業界全体で大規模に起きていると思われる」と警告した。

北朝鮮労働者の特徴としてシュミット氏は、誤った形式の電話番号や怪しい学歴を例として挙げた。

7月には、300以上の米国企業で北朝鮮のIT労働者がリモートの仕事を得るのを支援するラップトップファームを運営したとして、アリゾナ州の女性が実刑8年の有罪を言い渡されている。

また韓国の情報機関は昨年、北朝鮮の工作員がリンクトインを利用してリクルーターを装い、防衛企業で働く韓国人に接触し、技術情報を入手しようとしていたことを指摘していた。

韓国統一研究院の専門家は「北朝鮮はサイバー人材を積極的に育成し、世界中の重要な拠点に浸透しています」とAFPに述べ、「アマゾンの事業性質を考えると、動機は主に経済的なものであり、金融資産を盗む目的だった可能性が高いと考えられる」と説明した。(c)AFP