【12月20日 AFP】ウクライナは19日、地中海の公海上でロシアの「影の船団」のタンカー一隻を無人機(ドローン)で攻撃した。約4年におよぶ戦争では、同海域での攻撃は初めて。

ウクライナ保安庁(SBU)の情報筋は、今回の攻撃を「新たな、前例のない特殊作戦」と述べ、ウクライナ国境から約2000キロ離れた地中海では初の軍事行動だとした。

この情報筋は、SBUがどのように地中海でドローンを運用したのか、どこから発射し、どの国の上空を通過した可能性があるかなど、詳細は明らかにしなかった。

攻撃時のタンカーは空で、この作戦による環境への脅威はなかった。タンカーは「重大な損傷を受け、本来の目的には使用できない」という。

このタンカーは西側の制裁を回避してロシアの戦費を支えるために使われていたと情報筋は述べ、同タンカーが「完全に正当な標的だ」としている。

「影の船団」は最大1000隻に及ぶと推定され、頻繁に船籍を変更して所有者も不明確となっており、禁止措置にもかかわらずロシアが原油輸出を継続して収入を確保することを可能にしてきた。複数の欧州首脳は、一部の船舶がロシアによる欧州各地での破壊工作や敵対行為に利用されていると考えている。(c)AFP