ドイツ極右AfD、ウクライナ融資を非難「勝ち目のない戦争に税金を浪費」
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【12月20日 AFP】ドイツの親ロシア派の極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は19日、ウクライナに今後2年間で900億ユーロ(約16兆5400億円)を融資する欧州の計画を非難し、この戦争で勝利を収めるのはロシアだと主張した。
欧州連合(EU)首脳は昨夜、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、2026~27年の2年間に900億ユーロを融資すると決定した。ロシアの凍結資産は活用せず、共同で予算を担保に市場から借り入れて融資する。
AfDの共同代表2人はプレスリリースで、数か月にわたりEUによるウクライナへの資金援助増額を訴えてきた保守派のフリードリヒ・メルツ首相を批判した。
ティノ・クルパラ共同代表は、「メルツ首相は、勝ち目のない戦争にドイツの納税者のお金を無駄に費やしている。ロシアは勝利し、賠償金を支払うことはない」と述べた。
アリス・ワイデル共同代表は、900億ユーロは「世界で最も腐敗した国家の一つにのみ込まれることになる」と主張。
「自国(ドイツ)が崩壊し、その経済が衰退しているにもかかわらず、メルツ首相は無意味な戦争を長引かせるために数百億ユーロを浪費している」と付け加えた。
ワイデル氏はさらに、ドイツは「ロシアとの良好な関係の回復」を目指すべきだとも述べた。
反既得権益、反移民、親ロシアを掲げるAfDは、2月の総選挙で第2党に躍進。その後の世論調査でも高い支持率を維持し続けている。
他の政党はAfDについて、ロシアのプロパガンダを垂れ流し、ロシアの利益のための「トロイの木馬」として機能していると繰り返し非難している。
だが、AfD内部では最近、急進的な親ロシア派と、主にドナルド・トランプ米大統領のアプローチをモデルとするグループの間で対立が生じている。(c)AFP
