【12月17日 AFP】イタリア当局は16日、2026年冬季五輪開催予定地の近くから、多数の恐竜の足跡の化石が発見されたことを発表した。化石は2億年以上前のものだという。

つま先や爪の跡が数百メートルにわたって確認できる足跡の化石は、イタリア・アルプスのステルビオ国立公園で見つかった。北部ロンバルディア州のアッティリオ・フォンタナ知事は「この恐竜の足跡群は、欧州全体、そして世界全体でも最大級のコレクションの一つだ」と記者会見で述べた。

フォンタナ知事によると、足跡群はほぼ垂直の岩壁で見つかり、中には直径40センチメートルに達するものもあった。

ミラノ自然史博物館の古生物学者クリスティアーノ・ダル・サッソ氏は「これは巨大な科学的遺産だ」と述べ、「平行して歩く様子は群れが同期して移動している明確な証拠。防御のためかもしれないが、円を描いて集まる動物のグループのような、より複雑な行動の痕跡も見られる」と説明した。

現在は雪に覆われているこれらの足跡は、約2億1000万年前の上部三畳紀のドロマイトの層に保存されていた。

ほとんどの足跡は細長く、二足歩行の動物によるものだ。最も保存状態の良いものには少なくとも4本の指が見られる。

これは、ジュラ紀の大型恐竜であるブロントサウルスの祖先とされる、長い首と小さな頭を持つ原竜脚下目の草食恐竜だったことを示唆していると専門家は述べた。

その他、捕食性恐竜やワニの祖先である主竜類の足跡もある可能性もあるという。

足跡はアルプス山脈の形成によって現在はほぼ垂直の斜面にあるが、恐竜が生息していた当時は、数百キロメートルにわたる潮間帯が広がる熱帯環境だったという。(c)AFP/Ella IDE