メキシコ、米国のフェンタニル「大量破壊兵器」指定を批判
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【12月17日 AFP】メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は16日、米国が合成麻薬フェンタニルを「大量破壊兵器」に指定したことを批判し、フェンタニル対策は危機の根本的な原因に焦点を当てるべきだと述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は15日、中南米の麻薬組織(カルテル)対策を強化する中で、フェンタニルを核兵器や化学兵器と「大量破壊兵器」に指定する大統領令に署名した。
シェインバウム氏は記者団に対し、「トランプ大統領にこの問題を提起した。薬物の一つを大量破壊兵器に指定するという今回のアプローチにとどまらず、薬物使用の原因に対処する必要がある」と述べた。
フェンタニルは主に、中国の組織が原料を生産してメキシコに輸出し、メキシコの麻薬組織が加工して米国に密輸している。
米国疾病対策センター(CDC)は、2024年には米国で推定8万人が薬物の過剰摂取で死亡したと報告しており、うち約4万8000人がフェンタニルなどの合成麻薬による過剰摂取で死亡したとしている。
大統領令は、「違法フェンタニルは麻薬というより化学兵器に近い」として、その製造と流通は米国の国家安全保障を脅かすと述べている。(c)AFP