【12月17日 AFP】北欧フィンランドのペッテリ・オルポ首相は16日、「ミス・フィンランド」や複数の議員が指で両目尻をつり上げる「つり目ポーズ」をする写真をめぐる東アジア人に対する人種差別スキャンダルについて、フィンランドのイメージを損なっていると述べた。

オルポ首相は16日、ロシア近隣の欧州諸国の首脳を集めたサミット(首脳会議)の傍らで記者団に対し、「きのう、議会でこれがわが国に損害を与えたと述べた。それは間違いない」「個人的には、いかなる形であれ人種差別を容認しない」と語った。

2025年のミス・フィンランドに選ばれたサラ・ザフチェさんは11月、「中国人と食事中」というフィンランド語のキャプション付きでつり目ポーズをした写真をソーシャルメディアで共有。東アジア人の容姿に対する人種差別だとの非難が殺到し、先週ミス・フィンランドの称号を剥奪された。

これに対し、一部が称号剥奪処分は厳し過ぎると反発。連立政権の一角を成す右派ポピュリスト政党、フィン人党のカイサ・ガレデウ議員とユホ・エーロラ議員、そしてセバスティアン・ティンキュネン欧州議会議員の3人は、「つり目」をする自身の写真をソーシャルメディアに投稿。ザフチェさんへの連帯を表明し、ミス・フィンランドの主催者を批判した。

エーロラ議員は後に「つり目」写真の投稿について謝罪した。

中道右派「国民連合」の会派トップ、ユッカ・コプラ議員は16日、議員らの「つり目」写真の投稿を共同声明で非難。

「こんなことはあってはならない。今だけでなく将来もあってはならない」と述べ、投稿は「侮辱的」かつ「不適切」であり、フィンランドの評判を傷つけるものだと述べた。

問題の議員らが本件に対して処罰を受けるかどうかは現時点では不明で、今週フィン人党の議員団によって決定される。

オルポ首相は、フィン人党の議員団が「この問題に適切な真剣さを持って対処する」と信じていると述べた。

公共放送フィンランド放送協会(YLE)が16日報じたところによると、ザフチェさんや議員らによる「つり目」写真は世界中に拡散しており、フィンランドの航空会社フィンエアーは、これらの投稿の影響を受けているという。

フィンエアーの広報担当ディレクター、パイビト・タルクビスト氏はYLEに対し、「フィンエアー日本支社のX(旧ツイッター)アカウントには、人種差別的とみなされるこれらの画像に関するコメントが複数寄せられている。その内容は一貫している。この国(フィンランド)に渡航しないで、フィンエアーを使わないで、というものだ」と語った。(c)AFP