フランス大統領夫人、フェミニスト活動家への「ばかなビッチ」発言を謝罪も「後悔はしていない」
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【12月17日 AFP】フランスのブリジット・マクロン大統領夫人(72)は15日、活動家に対して下品な言葉を使った件について謝罪した。この件は、性暴力の深刻さを軽視しているとして、フェミニストの反発を招いている。
ブリジット氏はメディア「ブリュット」に対し、今月動画に捉えられた問題の発言は「プライベートな」ものだったと説明し、「女性被害者を傷つけてしまったのであれば申し訳ない」と謝罪。
だが、「後悔はしていない。確かに私はフランス大統領の妻だが、何をおいても私は私だ。だから、プライベートな場では、必ずしも適切とは言えない形で自分を解放してしまうこともある」と付け加えた。
8日に公開された動画には、ブリジット氏が先週末、レイプ容疑で告発されたが不起訴となった俳優兼コメディアン、アリ・アビタン氏(51)の公演を妨害した活動家たちを「ばかなビッチども(フランス語では「sale connes」)」と呼ぶ場面が映っている。
ブリジット氏は舞台裏でのアビタン氏と会話で、活動家たちを「ばかなビッチども」と呼んだ。
翌日、このやり取りを捉えた動画が公開されると、ソーシャルメディア上でハッシュタグ「#SalesConnes」がトレンド入り。アカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール氏ら有名俳優たちも使用した。
大統領府は、ブリジット氏の発言は「公演を妨害した者たちが取った過激な手法への批判」と捉えられるべきだと主張して事態の収拾を図ったが、反発は収まらなかった。
約60のフェミニスト団体から成る連合体「Greve Feministe(フェミニスト・ストライキ)」は声明で、公式の謝罪を要求した。
6日、活動家たちは「レイプ犯」と書かれたアビタン氏のマスクをかぶり、「アビタン、レイプ犯」とシュプレヒコールを上げながら、アビタン氏のスタンドアップショーを妨害した。
2021年、アビタン氏と交際していた女性が同意のない性行為を強要されたとして、アビタン氏にレイプされたと告発した。
だが、2023年に捜査官は事件を取り下げ、今年1月に控訴審もその決定を維持した。
フランスでは性被害を告発する世界的な「#MeToo(私も)」運動を受け、著名人男性が告発される事例が相次いでいる。(c)AFP