豪ボンダイビーチ銃乱射、IS思想に影響 首相が見解
このニュースをシェア
【12月16日 AFP】オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は16日、シドニー近郊のボンダイビーチで発生した銃乱射事件の容疑者の父子について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の思想に駆り立てられたとの見方を示した。
サジド・アクラム容疑者と息子のナビード・アクラム容疑者がユダヤ教の祭典ハヌカを祝うためにビーチに集まっていた人々に向けて発砲し、15人を殺害、数十人を負傷させた事件について当局は、国内のユダヤ人に恐怖を広めることが目的だったとしているが、より詳しい動機については明らかにしていない。
一方、アルバニージー氏の発言は、2人が「憎悪のイデオロギー」によって過激化した可能性を示唆するものとなった。
国営放送ABCに対しアルバニージー氏は「事件はISのイデオロギーに動機づけられた可能性があるようだ」と述べた。また別のインタビューでも「ISが10年以上前に台頭して以来、世界は過激主義と憎悪に満ちたイデオロギーと対峙してきた」と話している。
警察は、銃撃後にナヴィード・アクラム名義の車がビーチ近くに駐車されているのを発見した。
ニューサウスウェールズ州警察によると、ビーチ近くに駐車してあったナビード容疑者の車両内から、「自家製のIS旗2枚」と複数のIED(即席爆発装置)が見つかったという。
事件をめぐっては、攻撃を未然に防げた可能性があるとして、当局の対応を問う声が強まっている。
こうした批判についてアルバニージー氏は、情報当局が2019年にナビード容疑者と接触しているが、当時は差し迫った脅威とは見なされていなかったと説明した。
「当局はナビード容疑者と面接し、家族や周囲の人々からも話を聞いた」とし、「当時、要注意人物とは見なされていなかった」と続けた。
報道によると2人は先月、フィリピンを訪問しており、その際にイスラム過激派と接触したかどうかが、現時点で重要な点として浮上しているという。(c)AFP