12日、米バージニア州チェサピーク市で開かれたレアアース磁石工場への投資発表=LS電線(c)KOREA WAVE
12日、米バージニア州チェサピーク市で開かれたレアアース磁石工場への投資発表=LS電線(c)KOREA WAVE

【12月16日 KOREA WAVE】韓国の電線メーカー「LS電線」が米国国内でレアアース(希土類)永久磁石の工場設立を検討している。同社は米バージニア州チェサピーク市に新規投資候補地を選定して事業の妥当性を検討中で、バージニア州と協力に向けた協議を本格化する。

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のリュ・ウンジュ記者の取材によると、レアアース磁石の生産は、米国のサプライチェーンの安定化や、韓国産業の供給網多様化、エネルギー安全保障の強化にも好影響を与える。

レアアース磁石は電気自動車、風力発電機、ロボット、戦闘機、UAM(都市型航空モビリティ)など先端産業全般に不可欠な素材だ。世界の生産の約85%を中国が占めており、米国国内の生産企業はごくわずかであるため、供給網の多様化が最優先課題として浮上してきた。

新工場はLS電線が建設中の海底ケーブル工場の近隣敷地が有力とされており、生産品は主要な完成車メーカーおよび電装企業に供給する。

LS電線の関係者は「事業が現実化すれば、ケーブル中心の事業から戦略素材分野へと拡張する新たな成長軸となる。グローバルモビリティのサプライチェーンにおいて主導権を強化する契機になるだろう」と語った。

LS電線は、レアアース酸化物の確保から金属化、磁石製造に至るまでのバリューチェーン構築を進めている。そのために子会社のLSエコエナジーを通じて、ベトナムやオーストラリアなどで精製されたレアアース酸化物を確保し、金属化する事業を推進中だ。

また、LS電線は米国国内でのセグメントワイヤーや高品質銅素材の生産も検討している。これまでGMや現代自動車などにセグメントワイヤーを供給してきた実績があり、永久磁石の生産体制まで整えば、モビリティ向けの核心素材における競争力が強化されそうだ。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News