インドネシア豪雨災害で死者1000人に迫る、物資不足に不満の声も
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【12月12日 AFP】インドネシアのスマトラ島で発生した洪水や土砂災害の死者数が、11日夕方時点で1000人に迫った。数十万人が依然として物資の不足に直面しており、救援活動に不満が高まっている。
国家災害対策庁の報道官によると、同島北西部を壊滅状態にした洪水で990人が亡くなり、220人以上が行方不明となっている。
熱帯暴風雨と季節風(モンスーン)の豪雨が東南アジアから南アジアを襲い、スマトラ島の熱帯雨林からスリランカの高地プランテーションにかけて地滑りや鉄砲水を引き起こしており、今後も降雨が予想されている。
スマトラ島のアチェ州では、住民が徐々に生活を立て直しつつあるが、救援の遅れに対する不満が募っている。
壊滅的被害を受けた北部ビルエン市在住の男性(39)は、「誰を頼ればいいのか分からない」「この状況では政府を全く頼れない。対応があまりにひどいからだ」と語った。
近郊のロクセマウェに住む男性(36)は、ほとんどの被災者は当局からの支援不足を訴えていると明かした。
「各州で洪水に対応できるとよく聞くが、実際に経験しているのはその逆だ」「2週間以上たっても、同じ問題に苦しんでいる。進展があるかと聞かれれば、ほとんどない」
アチェ州のムザキル・マナフ知事は記者団に対し、緊急対応をさらに2週間延長し、「復旧と緊急のインフラ修復を行う必要がある」と述べた。
またムザキル氏は、「皮膚病、せき、かゆみなど洪水による病気が広がっている」と述べ、最も緊急に必要なのは医薬品だとしている。
復興費用は51兆8200億ルピア(約4862億円)に上る可能性があるが、インドネシア政府はこれまで国際支援を要請する提案を退けている。(c)AFP