【12月10日 AFP】米環境保護庁(EPA)のウェブサイトから「人為的な気候変動」に関する記述が削除された。複数の米報道機関が9日伝えた。

ワシントン・ポスト紙によると、EPAは10月にウェブサイトを改訂し、火山噴火や太陽活動の変動といった「自然のプロセス」に焦点を当てる内容へ変更。海面上昇や北極の氷の縮小を説明するページも削除されたという。

ニューヨーク・タイムズ紙は、「気候変動の原因」を説明するページと、米国内の地球温暖化の影響を追跡するページが改変されたと伝えている。

こうした内容は気候変動の重要な指標だが、ドナルド・トランプ大統領は風力発電や再生可能エネルギーへの批判を繰り返し、国内での資源採掘の拡大を推進しているほか、気候変動の影響を追跡・軽減する研究開発費も大幅に削減している。

EPAの報道官は、トランプ政権がジョー・バイデン前政権の「左翼的な政治的アジェンダ」から距離を置いているとして、「もはや気候カルトの指示に従う必要はなくなった」とワシントン・ポスト紙に述べた。

カリフォルニア大学の気候科学者ダニエル・スウェイン氏は、今回の削除について「これまでで最も劇的な情報の抹消の一つだ」と批判し、「多くのページが削除されるか、あるいは不正確な情報に置き換えられている」と警告した。(c)AFP