男らが「遺体持ち去った」 大統領選後の混乱続くタンザニアで医師が証言
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【12月9日 AFP】現職のサミア・スルフ・ハッサン氏が圧勝した大統領選後に全土で激しい抗議活動が起きたタンザニアで9日、新たな抗議活動の実施が呼びかけられている。西側当局が、タンザニア政府が抗議活動中に死亡した人々の遺体を持ち去ったと非難した後、中心都市の大病院で働くある医師がAFPに対し、数百人の患者と遺体が病院からどこかに移送されたと語った。
ハッサン氏が98%の得票率で勝者とされた10月29日の選挙を巡っては、ハッサン氏が選挙を不正操作し、批判者の殺害や誘拐を指示したとの主張が飛び交い、数日間の暴力的な抗議活動を引き起こした。
野党は、治安部隊が抗議活動を「射殺」の方針で取り締まった結果、1000人以上が殺害されたと主張している。政府は死者数を公表していない。
取り締まりに対する怒りから、9日のタンザニア独立記念日に、新たな抗議活動が呼びかけられている。警察はいかなるデモも禁止している。
当局は暴力の映像や報告が外部に流出するのを防ごうと、騒乱中に5日間インターネットを遮断し、映像や報告を共有する人々に圧力をかけた。
同国の中心都市ダルエスサラームの大病院で働く上級医師が匿名を条件に、AFPのナイロビ支局に話をした。
「何も言うなと言われた」と彼は語った。「写真や動画を撮ったかどうかを調べるために、携帯電話を取り上げられることもあった」
11月1日のシフト中、彼は200人以上の患者が「治療中に連れ去られた」と述べた。連れ去ったのは「軍用車両に似た緑色のトラック」で到着した「制服を着ていない」男たちだったという。
「何人が亡くなったかはわからない」「彼らは遺体安置所から遺体をも持ち去った。遺体安置所は満杯で、一部の遺体は床に放置されていた」
遺体安置所の係員は彼に「300体以上の遺体」が持ち去られたと伝えたという。
どこに運ばれたかは不明だが、殺害の規模を隠すために集団墓地が使われているという報告が絶えない。