【12月9日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は8日、米半導体大手エヌビディアの人工知能(AI)半導体の中国への輸出を許可したことを明らかにした。

中国への輸出が許可されたのはAI半導体「H200」。ジョー・バイデン前政権が中国の軍事利用に関する国家安全保障上の懸念から厳しく制限していたAI半導体の輸出政策の大きな転換となる。

トランプ氏は、習近平中国国家主席に対し「H200を『中国や他国の承認された顧客』に、国家安全保障を維持できる条件の下で出荷することを認めた」と伝えたと、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに投稿した。

「習氏は前向きに応じた!25%が米国に支払われる」としたが、取り引きの詳細には触れなかった。

トランプ氏はまた、バイデン氏の政策を批判し、「われわれの偉大な企業に何十億ドルも費やして、誰も欲しがらない『劣化版』製品を作らせた。これはイノベーションを遅らせ、米国の労働者を傷つけるひどいアイデアだった」と述べた。

これは、バイデン政権が半導体企業に対し、中国市場向けに性能を落とした製品を作るよう求めていたことを指している。

民主党からは、この方針転換を「中国の軍事力と経済を助ける大きな過ちだ」として即座に批判の声が上がった。

エヌビディアは、輸出を認める判断について「米国の半導体産業に競争の場を与え、高賃金の雇用と国内製造を支える決定を歓迎する」とAFPに述べた。

トランプ氏によると、エヌビディアの最先端製品である「ブラックウェル」シリーズや今後発売予定の「ルービン」プロセッサーの輸出は引き続き認められない。H200は、これらの最新製品より約18か月遅れた世代にあたる。(c)AFP