古代エジプト王家の墓で副葬品の小像225体発見
このニュースをシェア
【12月6日 AFP】ナイル川デルタにある古代エジプトの首都タニスの墓の中から、ウシャブティと呼ばれる副葬品の小像225体が発見された。フランスのエジプト学者フレデリック・ペイロドー氏は5日、パリで記者団に対し、「タニスのネクロポリスで王家の墓の中で小像がそのままの状態で発見されたのは1946年以来だ」と語った。
また、現在のルクソール近郊にある王家の谷でも、1922年に発見された有名な少年王ツタンカーメンの墓を除けば、このような発見はこれまで一度もないという。なぜなら、このような遺跡のほとんどは長い歴史の中で盗掘に遭ってきたからだという。
フランスのタニス発掘調査団を率いるペイロドー氏によると、これらの像は10月9日、名前のない石棺が安置された狭い墓を発掘中に見つかった。
225体の緑色の小像すべてを慎重に掘り出すのに10日を要したという。
ウシャブティとして知られるこれらの小像は副葬品で、死後の世界で故人に課される重労働を代わりに引き受けてくれるものと信じられていた。
今回見つかった小像の半数以上が女性で、ペイロドー氏によると「極めて異例」だという。
ナイル川デルタに位置するタニスは紀元前1050年頃、エジプト第21王朝の首都として築かれた。
ペイロドー氏によると、当時、歴代のファラオの治世中に略奪に遭った王家の谷は放棄され、王家の墓はタニスに移された。(c)AFP