【12月5日 AFP】ロシアが侵攻したウクライナの占領地域から連れ去ったウクライナの子ども数千~2万人の一部を北朝鮮に送って「再教育」していると、ウクライナ議会人権委員会のドミトロ・ルビネツ氏が4日、明らかにした。ロシアは近年、極めて抑圧的な専制国家である北朝鮮との結び付きを強化している。

ルビネツ氏は、ロシアが北朝鮮に送った子どもの人数は明らかにしなかった。ロシアは現時点で本件について公式にコメントしていない。

ルビネツ氏は、キーウを拠点とする非政府組織(NGO)地域人権センター(RCHR)が公表した証言を引用し、ロシアがウクライナの子どもたちの再教育を試みている「キャンプ」が、ウクライナの占領地域、ベラルーシ、ロシア、北朝鮮に165か所あると述べた。

RCHRの代表は3日、米議会上院で証言し、ウクライナの子どもたちの少なくとも一部が北朝鮮東海岸にある松涛園国際少年団キャンプ場に送られたと報告した。

そこでウクライナの子どもたちは「日本の軍国主義者を全滅させる」ことを教えられ、1968年に米国の情報収集艦を拿捕(だほ)した退役軍人と面会したという。

ウクライナ政府は、ロシアが2022年に全面侵攻を開始して以来、ウクライナの子ども約2万人を拉致または強制的に避難させたと主張している。

ロシアは侵攻後に一部の子どもを移動させたことを認めているが、子どもたちの安全を確保するためであり、家族との再会できるよう図っていると主張している。だが、ウクライナはこの主張を否定している。

国際刑事裁判所(ICC)は2023年、ウクライナの子どもの連れ去りに関与した疑いで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に逮捕状を出した。(c)AFP