日本のクリスマスはチキン KFCが準備着々
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【12月4日 AFP】日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、クリスマスに七面鳥ではなくチキンを食べるという日本の「伝統行事」への準備を進めている。
日本KFCの担当者によると、同社は通常、11月上旬からクリスマスメニューの予約受付を開始し、店頭に置かれた創業者カーネル・サンダースの像もクリスマス仕様になるという。
日本のキリスト教徒の割合は総人口の1%にも満たず、クリスマスはサンタクロースやプレゼント、イルミネーションなど、大量消費主義全開の世俗的なイベントとなっている。クリスマスイブにデートをするカップルも多い。
食事に関しては、オリジナルチキンに加え、さまざまなサイドメニューやデザートが入った特別な「パーティーバレル」を家族で食べることが多い。
12月24日のクリスマスイブは日本KFCの最繁忙日で、2020年の同社発表によると、来客数は通常の10倍以上を記録。360万世帯が注文したとされる。
日本KFCがクリスマスキャンペーンを開始したのは1974年で、その起源については、1号店の店長だった大河原毅氏が、英国や米国でクリスマスによく食べられる七面鳥を外国人が切望しているというのを偶然耳にしたというものなど、諸説ある。
1980年に亡くなったカーネル・サンダースも、日本野球界の伝説となっている。
1985年、阪神タイガースの21年ぶりのセントラル・リーグ優勝に狂喜したファンが、KFC道頓堀店のカーネル像を持ち出し、汚れた道頓堀川に投げ込んだ。レギュラーのそっくりさんが打順で飛び込み始めたが、米国人のランディ・バース選手に似た人はいなかったため、カーネル像をバース選手に見立てたとされる。
タイガースはその年に初めて日本一になった後、低迷期が長く続いた。2003年と2005年にはリーグ優勝したものの、日本一には届かなかった。こうして像が回収されるまでタイガースは二度と日本一になれないという都市伝説「カーネル・サンダースの呪い」が生まれた。
引き揚げられたカーネル像は2024年、老朽化が進みこれ以上の保管が困難になったことから、住吉大社に「人形納め」として供養された。KFC日本の代表取締役社長も参列し、オリジナルチキンを供えた。(c)AFP