知られていなかったルノワール作品、3億2500万円で落札
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【11月26日 AFP】フランスの印象派画家オーギュスト・ルノワールによる、幼い息子ジャンを描いた未発表の作品が25日、パリのオークションで180万ユーロ(約3億2500万円)で落札された。競売を主催したドゥルオーがAFPに明らかにした。
落札されたのは油彩画「L'enfant et ses jouets – Gabrielle et le fils de l'artiste, Jean(子どもとそのおもちゃ―ガブリエルと画家の息子ジャン)」で、これまで展示も売買もされたことがなかった。
作品を長らく所有していたのは、ジャンの名付け親であり、ルノワールの友人で弟子でもあったジャンヌ・ボードーさんで、相続人に引き継がれていた。
1890年から1895年の間に描かれたとみられる本作には、後にアカデミー賞受賞映画監督となる次男ジャンが、乳母と一緒に座っている様子が描かれている。
美術史家でルノワール研究者のパスカル・ペラン氏は、公開にあたり「修復を受けていないにもかかわらず、作品の状態が極めて良い」と称賛した。
作品の予想落札価格は100万~150万ユーロ(約1億8000万~2億7000万円)とされていた。落札者については「国際的な買い手」と発表された。
1894年生まれのジャンは、1975年にアカデミー賞の生涯功労賞を受賞し、数年後に84歳で亡くなっている。(c)AFP