インド「国民の利益が最優先」 トランプ氏のロシア産原油輸入停止発言受け
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【10月16日 AFP】インドがロシア産原油の購入を停止すると確約したとのドナルド・トランプ米大統領による発言を受け、インドは16日、エネルギー政策の最優先事項は国民の利益だと述べた。
インドは対ロシア政策の転換について、肯定も否定もしなかった。
インド外務省のランディール・ジャイスワル報道官は声明で、「不安定なエネルギー情勢において、インドの消費者の利益を守ることが、われわれの一貫した最優先事項だ」「われわれの輸入政策は、この目的に完全に基づいている」と述べた。
モディ氏はこれまで、ロシアがウクライナを侵攻しているにもかかわらず、インドの歴史的なパートナーであるロシアからの原油購入を正当化してきた。
トランプ氏は8月、ロシアの原油を購入していることへの制裁措置として、インドに対して25%の追加関税を発動した。すでに課していた25%の相互関税に上乗せされ、合計で50%となった。
ジャイスワル氏は、「エネルギー価格の安定と供給の確保は、わが国のエネルギー政策の二つの目標だ」「これには、幅広いエネルギー調達基盤の確立と、市場の状況に応じた適切な多様化が含まれる」と付け加えた。
世界最大級の原油輸入国であるインドは、需要の85%以上を国外に依存しており、伝統的に中東諸国に依存してきた。
だが2022年以降、西側諸国によるロシア産原油の禁輸によって生まれた買い手市場を活用し、割安なロシア産原油への転換を急速に進めてきた。
ジャイスワル氏は、「米国に関しては、われわれは長年にわたりエネルギー調達の拡大に努めてきました」「これは過去10年間で着実に進展している。米国の現政権はインドとのエネルギー協力の深化に関心を示しており、協議を継続している」と述べた。(c)AFP