ウディ・アレン監督「キートンさんのいない世界は寂しい」
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【10月14日 AFP】11日に死去した米俳優ダイアン・キートンさんの元パートナーである映画監督ウディ・アレンさん(89)が13日、追悼文を発表した。
キートンさんは、『アニー・ホール(ANNIE HALL)』(1977)、『マンハッタン(MANHATTAN)』(1979)、『マンハッタン殺人ミステリー(MANHATTAN MURDER MYSTERY)』(1994)などのアレンさんの作品に出演した。
アレンさんは独立系メディア「フリー・プレス」に発表した長文で、「彼女の細身の美しさを初めて目にしたのはオーディションの時だった」と述べ、映画『ボギー!俺も男だ(Play It Again, Sam)』(1972)で共演した最初の1週間は一言も口をきかなかったと振り返った。
「彼女は内気で、私も内気だった。内気な二人が揃うと、かなり退屈になる。ある時、偶然同じタイミングで休憩を取り、一緒に軽食を取ることになった。彼女はとても魅力的で、美しく、魔法のようだった。自分の正気を疑うほどに。こんなに早く恋に落ちることがあるのかと思った」と記した。
一時期、キートンさんと同居していたアレンさんは、自身の作品『泥棒野郎(Take the Money and Run)』(1969)について「とても面白く、独創的」と言ってもらったことがあるとし、「その映画の成功が彼女の言ったことの正しさを証明した。それ以来、彼女の判断を疑ったことはなかった」と語った。
さらに、自作のレビューには目を通さず、キートンさんの意見だけを気にしていたとも述べ、「彼女が気に入れば、その映画は芸術的に成功したと見なした」と明かした。
アレンさんは追悼文の最後に、「数日前まで、世界にはダイアン・キートンがいた。今は彼女がいない世界だ。したがって、より陰鬱な世界になった」と締めくくった。(c)AFP