【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領と思想・信念を共有するイタリアのジョルジャ・メローニ首相は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争終結を目指すトランプ氏のパレスチナ自治区ガザ地区の和平計画を危うくしないよう、ガザ支援船団に対し、停止するよう強く求めた。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんやイタリアの議員数人が参加する「グローバル・スムード船団」は、イスラエルによるガザの海上封鎖を突破し、住民に不可欠な支援物資を届けようと現地に向かっている。国連によると、ガザの住民は広範囲にわたる飢餓に苦しんでいる。

メローニ政権は、船団の護衛のためにフリゲート艦を派遣している。

だが、メローニ氏は、9月29日にホワイトハウスで発表されたトランプ氏の計画が示す「希望」は「危ういバランスの上に成り立っている」として、打ち砕く機会をうかがっている者が大勢いると警告。

「ガザ支援船団によるイスラエルの海上封鎖を突破する試みが、その口実となることを懸念している」「この理由からも、船団は直ちに停止し、支援物資の安全な輸送のために提示されたさまざまな提案のいずれかを受け入れるべきだと考える」「それ以外の選択は、平和を阻害し、紛争をあおり、ひいてはガザの住民に影響を与える口実にされる危険性がある」と付け加えた。

ガザでの軍事作戦をめぐり国際的な非難を広く浴びせているイスラエルは、支援船団はハマスの計略だと根拠を示すことなく繰り返し非難している。

イスラエルは支援船団に対し、物資をイスラエルの港に届ければ、イスラエル当局がガザに輸送すると約束している。

だが、支援船団はこれを拒否。国連が中東で初めて飢饉(ききん)を宣言したにもかかわらず、イスラエルがガザへの支援物資搬入を拒否していると主張している。

9月にスペイン・バルセロナを出航した支援船団は、9月30日から10月1日の夜にもイスラエルの海上封鎖線に到達する可能性がある。(c)AFP