国連総長「イスラエルの脅しに屈してはならない」 西岸の占領もじわじわ
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【9月20日 AFP】国連のアントニオ・グテレス事務総長は19日、AFPのインタビューに応じ、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区に壊滅的な被害をもたらす紛争を推し進め、同地自治区ヨルダン川西岸の占領を「じわじわ」と進める中、世界はイスラエルの「脅しに屈してはならない」と呼び掛けた。
西側諸国が来週ニューヨークで開催される国連総会でパレスチナの国家承認を進めた場合、イスラエルはヨルダン川西岸の併合も辞さない構えを見せている。
グテレス氏は、「報復の脅しに屈してはならない。われわれが何をしようがしまいが、こうした行動は続くだろう。少なくとも、国際社会を動員して報復を阻止すべく圧力をかける機会はある」「イスラエル政府は着実に駒を進め、今やガザ地区を完全に破壊し、ヨルダン川西岸の占領をじわじわと進めている」と述べた。
グテレス氏は、「これは、私が事務総長として、そしておそらく私の人生においても、これほどひどい死と破壊を見たことはない。パレスチナの人々の苦しみは筆舌に尽くし難い。飢餓にあえぎ、効果的な医療もなく、広大な強制収容地域で適切な住居もなく暮らしている」と述べた。
国連機関がイスラエルが激しく反対する「ジェノサイド(集団殺害)」という表現を用いているにもかかわらず、グテレス氏はイスラエルのガザ地区における行為を「ジェノサイド」と呼ぶのを控えている。
このことについてグテレス氏は「問題は、ジェノサイドの法的判断を下すのは私の職務ではないということだ」「それは私の権限ではない。しかし、はっきりさせておきたい。問題なのは言葉ではなく、現実の状況だ」と述べた。
イスラエル軍は16日、ガザ地区の中心都市ガザ市で地上作戦を開始。同軍は数日前から住民に南へ避難を指示していたが、多くのパレスチナ人は移動費が法外に高い上、どこに行けばよいのかわからないと話している。(c)AFP