イスラエル首相「パレスチナ国家は未来永劫存在させない」
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【9月12日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は11日、占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸での大規模入植地建設計画の調印式で、パレスチナ国家は未来永劫存在させないと表明した。
ネタニヤフ氏はエルサレムの東にあるイスラエル人入植地マーレアドゥミムで行われた式典で、「パレスチナ国家を未来永劫存在させないという約束を果たす。この場所はわれわれのものだ」「われわれの遺産、土地、そして安全を守り、この都市の人口を倍増させる」と述べた。式典は首相府によってライブ配信された。
イスラエルは長年、エルサレムとマーレアドゥミムの間に位置する「E1」と呼ばれる約12平方キロの土地に入植地を建設する野望を抱いてきたが、国際的な反対を受け、計画は行き詰まっていた。E1の近くにはヨルダン川西岸を南北に結ぶ道路も通っている。
イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ財務相は先月、E1に入植者住宅3400戸を建設する計画を支持した。
これに対し非難が相次ぎ、国連のアントニオ・グテレス事務総長、この入植地はヨルダン川西岸を事実上二分し、隣接するパレスチナ国家にとって「存亡の危機」となると述べた。
イスラエルが1967年以来占領しているヨルダン川西岸における入植地は、イスラエルの承認の有無にかかわらずすべて国際法違反だ。
英国とフランスを含む複数の西側諸国は、今月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を表明している。
英国は、2023年10月のイスラム組織ハマスによる攻撃がきっかけに始まったパレスチナ自治区ガザ地区での紛争において、イスラエルが停戦に合意しない場合、パレスチナの国家承認に踏み切ると表明している。
イスラエルの極右閣僚らはここ数か月、イスラエルによるヨルダン川西岸の併合を公然と求めてきた。
ヨルダン川西岸での入植活動を監視するイスラエルのNGO「ピース・ナウ」は先週、E1のインフラ整備は数か月以内に、住宅建設は約1年以内に開始される可能性があると述べた。
ピース・ナウは、E1計画は「イスラエルの将来にとって、そしてイスラエルとパレスチナが平和的に共存する2国家解決を実現するあらゆる可能性にとって致命的だ」と述べた。
イスラエルが併合した東エルサレムを除くヨルダン川西岸では、パレスチナ人約300万人が暮らす一方、入植地に約50万人のイスラエル人も居住している。(c)AFP