仏女子ボクシング選手団、性別検査の結果遅れ世界選手権出場不可に
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【9月5日 AFP】ボクシングのフランス女子代表の5選手が、性別検査の結果が期限内に提出されなかったとして、英国リバプールで開催されている世界ボクシング選手権の出場を禁じられた。
ワールドボクシング(WB)は先月、世界ボクシング選手権での競技を希望する女子選手は、新方針に基づき「義務的な性別検査」を受ける必要があると発表していた。
フランスでは1994年に成立した法律により、厳格な条件を除いてはこういった検査が国内で禁止されている。
このためフランスボクシング連盟(FFBoxe)は、選手の英国到着後に検査を行う必要があった。
連盟によると、ワールドボクシングが認定した英国の検査機関で検査を受け、結果は期限内に提出される予定だったという。
英BBCは、フランスの5選手に加え、ドミニカ共和国やフィジー、ナイジェリア、フィリピンの合計7選手も出場を禁止されたと報じている。
ワールドボクシングは、この責任は各国のボクシング連盟にあると述べているが、マリ・バルサック仏スポーツ相は4日、この決定を「容認できない」と強く非難し、FFBoxeも強く反発している。
新方針の下では、ワールドボクシングが認可する競技会に出場を希望する18歳以上の選手は、出生時の性別を判定するためにポリメラーゼ連鎖反応遺伝子(PCR)検査を受けなければならない。
昨年のパリ五輪では、イマン・ヘリフ(アルジェリア)と林郁婷(台湾)の性別を巡る論争が起き、ボクシング界において大きな議論となっていた。
国際ボクシング協会(IBA)から性別適格性検査に不合格だったと発表された両選手は、23年の世界選手権から除外された。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)は、両選手が「IBAによる突然かつ恣意(しい)的な決定」の犠牲者だったとして、パリ五輪での競技を許可していた。
ヘリフは現在、ワールドボクシングによる遺伝子検査導入に対し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ異議申し立てを行っている。
ヘリフと林は、ともに今回の世界選手権には出場していない。(c)AFP