ギリシャ各地で大規模山火事、欧州は熱波で火災拡大
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【8月14日 AFP】ギリシャでは13日、西部にある第3の都市パトラを含む12か所で大規模な山火事の消火活動が行われた。
ギリシャ全土には軍が支援する消防隊員数千人が配置されおり、消防当局の広報担当官は「状況は依然として厳しい」と述べた。
AFPの記者は、パトラ郊外の森林などで住民と消防士がヘリコプターの支援を受けて消火活動を行っている姿を目撃。濃い煙が視界を奪っていた。
当局の広報担当官によると、パトラの病院からは12人の子どもが、老人ホームからは80人の高齢者がそれぞれ避難したという。
また地元メディアの映像には、17世紀に建てられた修道院の屋根が燃えている様子が映し出されていた。
国内ではその他、人気の高いイオニア海の観光地ザキントス島やケファロニア島、6月に4000ヘクタール以上が燃えた傷跡が残る、エーゲ海に浮かぶヒオス島でも山火事が発生している。
さらに、熱波で火災が拡大したことで、欧州南部では多数の人が避難を余儀なくされている。スペインやポルトガル、フランス、イタリア、バルカン諸国、そして英国は今週、高温に見舞われて山火事が発生しており、科学者たちは人為的な気候変動がこれを悪化させていると指摘している。
スペイン北西部カスティーリャ・イ・レオン州では、世界遺産であるローマ時代の鉱山遺跡が火に襲われた。当局によると約6000人が自宅から避難し、重体の4人を含む7人がやけどで入院している。
ポルトガルでは9日から火災が続く中部トランコソに重点を置いて、2100人以上の消防士と20機の航空機が国内5か所で発生している山火事に対応している。
英国はこの夏4度目の熱波に見舞われ、これまで考えられなかった山火事の脅威が現実になっている。イングランド北部にあるノースヨークムーアズ国立公園で発生した火災はこの日「重大インシデント」を宣言され、消防当局によると約5平方キロが炎に覆れているという。(c)AFP