【8月14日 AFP】5月に脳疾患と診断された米歌手ビリー・ジョエルさんが、自身の膨大なオートバイ・コレクションをオークションにかけることが分かった。ジョエルさんのマネジメント事務所が13日、発表した。

ジョエルさんは、脳の疾患「正常圧水頭症」と診断されたことを受け、7月から翌年7月まで予定していた全米ツアーと英国公演を中止すると5月に発表していた。

広報担当者は「最近の医療診断により、ビリーは今年後半にバイク・コレクションをオークションに出す予定」とAFPに述べた。

ジョエルさんが所有する75台以上のオートバイは、ニューヨーク州ロングアイランドのオイスターベイにあるバイクショップに保管され、週末には無料で公開されている。ただ、9月下旬にショップのリースが切れるため、更新しない予定だという。

「We Didn't Start the Fire(ハートにファイア)」や「New York State of Mind(ニューヨークの想い)」などの代表曲で知られるジョエルさんは、1970年代からポップ界の第一線で活躍してきた。オートバイは長年、公私両面で彼のイメージの一部となってきた。ミュージックビデオでは「Uptown Girl(アップタウン・ガール)」で女性を後部座席に乗せて走り去る場面や、「You May Be Right(ガラスのニューヨーク)」で雨の中を走る場面が描かれている。本人はこれまで「古いスタイルが好きだ」と語り、中には1940年代製の車種もあるという。

ジョンズ・ホプキンス大学医学部によると、正常圧水頭症は脳や脊髄内の脳脊髄液の流れが滞ることで発症し、余分な液体や圧力が脳を損傷する恐れがある。まれな疾患で、記憶障害などの認知機能の低下や歩行困難を引き起こすことがあるという。

ジョエルさんは以前、「この症状は過去のコンサート活動によって悪化し、聴覚、視覚、平衡感覚に問題が出ている」と説明していた。(c)AFP