イスラエルのガザ市制圧計画に世界各国から非難、撤回求める声
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【8月9日 AFP】イスラエルが、パレスチナ自治区ガザ地区の中心都市であるガザ市を制圧する計画を発表したことを受け、世界各国は8日、紛争を悪化させ、さらなる流血を招くだけと非難の声を上げた。
米国はイスラエル側の発表に対して明確な反応を示していない。ドナルド・トランプ米大統領は5日、ガザへの人道支援の増強に注力しているとし、「それ以外のことについては、ほぼイスラエル次第」と述べている。
ここでは、ガザ市制圧計画に対する世界の反応をまとめた。
■国連(UN)
国連のアントニオ・グテレス事務総長は、イスラエルの計画は「危険なエスカレーション」であり、パレスチナ市民の状況を悪化させるリスクがあると述べた。
また、ボルカー・ターク国連人権高等弁務官は、計画を「即時停止」すべきだと述べ、イスラエルには「人道支援の完全かつ妨げのない流れ」を、パレスチナの武装勢力には無条件での人質解放を求めた。
外交筋はAFPに対し、複数の国がイスラエルの計画について国連安保理の緊急会合を要請したと明かしている。
■欧州連合(EU)
欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長はX(旧ツイッター)で、「イスラエル政府がガザでの軍事作戦をさらに拡大するという決定は再考されるべきだ」と述べた。フォンデアライエン氏は、停戦、人質の全員解放、そしてガザでの「即時かつ妨げのない人道支援のアクセス」を求めた。
■イスラム組織ハマス
ハマスは、イスラエル政府の計画を「占領軍がガザに対して犯そうとしている新たな戦争犯罪」と非難し、この作戦が「高い代償を伴う」と警告した。
■イラン
ハマスを支援するイランの外務省報道官は、「ガザを民族浄化し、パレスチナ人に対してジェノサイド(集団殺害)を行うというシオニスト政権の明確な意図の、もう一つのはっきりとした兆候」であると述べた。
■中国
中国の外務省報道官はAFPに対し、「ガザはパレスチナの人々のものであり、パレスチナ領土の不可分な一部である」と述べた。「ガザの人道危機を緩和し、人質の解放を確実にするための正しい方法は、即時停戦である」
■ドイツ
フリードリヒ・メルツ独首相は、イスラエルの軍事計画が正当な目的の達成にどのように役立つのかを「理解することがますます困難になっている」と述べ、「このような状況下では、ドイツ政府は、ガザ地区で使用される可能性のある軍事装備の輸出を当面承認しない」と続けた。
■カナダ
マーク・カーニー加首相は、「この行動が現地の人道状況の改善に寄与することはない」と述べ、多くの国々と同様にこれを誤りと見なしていると述べた。また、英国やフランスとともに、来月の国連総会でパレスチナを国家として承認するという意向を再確認した。
■トルコ
トルコは計画阻止のための国際的な圧力を求めた。同国外務省は「パレスチナ人を自らの土地から強制的に追放することを目的としたこの決定の実施を阻止するために、国際社会がその責任を果たすことを求める」との声明を発表している。
■ヨルダン
ヨルダン王室が発表した声明では、アブドラ国王が「二国家間の解決とパレスチナ人の権利を損なう」動きを非難したと述べた。
■エジプト
エジプト外務省は、ガザに対するイスラエルの計画を「可能な限り最も強い言葉で」非難した。(c)AFP