【7月29日 AFP】国連の世界食糧計画(WFP)は29日、パレスチナ自治区ガザ地区で進行する深刻な食料危機が、20世紀にエチオピアやナイジェリア南東部ビアフラで発生した飢饉を彷彿とさせると警告した。

「これは今世紀にわれわれが目にしたことのない事態だ」と、WFPのロス・スミス緊急事態ディレクターはジュネーブで記者団に語った。

スミス氏はローマからのビデオリンクで、「これは前世紀のエチオピアやビアフラの災害を思い起こさせる」と述べ、「今すぐ緊急の対応が必要だ」と訴えた。

スミス氏の発言は、国連が支援する複数の機関で構成される「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」が、「最悪のシナリオである飢饉がガザ地区で進行中」と28日に警告したのを受けたもの。

IPCは、「即時かつ妨げのない人道支援の受け入れこそが、急激に増加する『飢餓と死』を止める唯一の手段だ」と強調している。

「この危機的状況は、われわれの目の前で進行している」とスミス氏は述べ、「これは警告ではない。行動への呼びかけだ」と訴えた。

IPCは「ガザ地区の大部分で飢饉のしきい値に達している」ことが最新のデータでは示されていると指摘した。(c)AFP