【7月29日 AFP】イスラエルとパレスチナの間の2国家解決を目指す国際会議が28日、フランスとサウジアラビアの主導で始まった。フランスは2国家解決以外に代替案はないとしているが、イスラエルは会議をボイコットし、米国も「非生産的」として反発している。

「イスラエル人とパレスチナ人が平和と安全の中で生活するという正当な願望に応えるには、政治的な2国家解決しかない。代替案はない」と、フランスのジャンノエル・バロ外相は、3日間の日程で始まった会議の冒頭で述べた。

数日前には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が9月にパレスチナ国家を正式に承認すると発表し、イスラエルと米国の強い反発を招いた。

ルクセンブルクも28日、フランスに続き9月にパレスチナ国家を承認する可能性を示唆。会議が再開される29日には、他の国々が同様の計画を発表する可能性もある。

会議冒頭でパレスチナ自治区のムハンマド・ムスタファ首相は「すべての国家が今、行動する責任を負っている」と述べ、パレスチナ国家承認を後押しするための国際的な支援を呼びかけた。

さらに、パレスチナ国家承認を訴える一方で、イスラム組織ハマスにガザ地区支配と武装解除を求め、戦闘終結の条件の一つとするよう述べた。

フランスは英国の同調にも期待を寄せている。25日には、200人以上の英議会議員が2国家解決への支持を表明したが、キア・スターマー首相はパレスチナ国家承認は「より包括的な計画の一部であるべきだ」と述べた。

AFPのデータベースによると、現在、国連加盟193か国のうち少なくとも142か国が、1988年に亡命中のパレスチナ指導部が宣言したパレスチナ国家を承認している。

しかし、イスラエルと米国は会議に参加していない。米国務省はこの3日間の会議について「非生産的かつ時期尚早」であり、「平和の模索を難しくする宣伝行為」だと非難。イスラエルの国連大使ダニー・ダノン氏も「この会議は解決を促進しない」と述べた。(c)AFP