【7月21日 AFP】国連は、戦争で荒廃したパレスチナ自治区ガザ地区で栄養失調が急増しており、数万人の子どもや女性が緊急治療を必要としていると発表した。封鎖されたパレスチナ領内への支援は、わずかしか届いていない。

ガザ地区の民間防衛隊はAFPに対し、「深刻な飢餓と栄養失調」による乳児の死亡数が増加していると述べ、過去1週間で少なくとも3人の乳児が死亡したと報告した。

民間防衛当局のマフムード・バサル報道官は、「これらの胸が痛むような事例は、直接的な爆撃ではなく、飢餓、乳児用粉ミルクの不足、基本的な医療の欠如によって引き起こされた」と述べた。

ガザ北部から中央部ヌセイラトに避難した父親(45)はAFPに、「私たちは死にかけている。子どもたちも死にかけているが、何もできない」と語った。

「子供たちは食べ物を求めて泣き叫ぶ。痛みと空腹でおなかをすかせたまま眠りにつく。食べ物は全くない」「そして、もし市場に少量の食べ物が出回ったとしても、価格は法外で、誰も手が出せない」

国連の学校から転用されたヌセイラトの避難所にある食糧配布所では20日、子どもたちが自分の皿をたたいて順番を待ちながら楽しんでいた。AFPの記者によると、そのうちの何人かは飢餓により顔がやせ細っていた。

ガザの住民や国連、援助団体は、在庫の枯渇により市場に出回る食料価格が急騰していると頻繁に訴えている。国連世界食糧計画(WFP)は7月初め、パン用の小麦粉の価格が紛争開始以降、21か月以上前の価格から3000倍に高騰したと警告した。(c)AFP