メキシコ大統領、家賃高騰に抗議するデモの「外国人排斥」を非難
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【7月8日 AFP】メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は7日、外国人の流入による家賃高騰に抗議するデモにおける「外国人排斥的」な行動を非難した。
デモは4日、首都メキシコ市で行われ、数百人が参加した。だが、参加者の一部が暴徒化し、スターバックスなどの店舗を破壊した。
また、「グリンゴ(外国人、特に英語を話す外国人。今回のデモでは米国人を指す)は帰れ」と書かれたプラカードを掲げる参加者や、スペイン語を話し、納税し、メキシコの文化を尊重するよう外国人に要求する参加者もいた。
シェインバウム氏は朝の記者会見で、「今回のデモにおける外国人排斥的な行動は非難されなければならない」と述べた。
デモ参加者たちは、は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まった2020年以降、フルリモートで働く若い米国人を中心とする外国人が、生活費の安さに引かれて流入したことで家賃が高騰し、もともと住んでいたメキシコ人がより家賃の安い地域への移住を余儀なくされていると訴えた。
2018~2023年にメキシコ市の市長を務めた左派のシェインバウム氏は、外国人の国外退去を求める声を非難する一方で、抗議デモの動機は正当だと認め、家賃高騰の原因は「デジタルノマド」(多くは米国人)の流入と、エアビーアンドビーなどの民泊仲介サイトに関連した不動産投機だとの見解を示した。
在外米国人協会の2023年の集計によると、国外在留米国人500万人のうち、約5分の1がメキシコに滞在している。
今回のデモは、ドナルド・トランプ米大統領が米国内で不法移民の取り締まりを強化している中で行われた。(c)AFP