【6月14日 AFP】国連は13日、米国とイスラエルの支援を受けてパレスチナ自治区ガザ地区で人道支援物資の配給を行う「ガザ人道財団(GHF)」について、人道的観点から見て失敗していると批判した。

国連と主要な人道支援団体は、GHFがイスラエル軍の目的に便宜を図るために設立されたという懸念から、GHFへの協力を拒否している。

国連人道問題調整事務所(OCHA)のイェンス・レルケ報道官はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「GHFは、人道的観点から見て、失敗だったと言っても過言ではない」「彼らは人道支援活動で行うべきこと、つまり安全かつ確実に支援を提供することができていない」と批判。

「われわれ食料やその他の物資を準備し、活動を開始する準備が整っている。支援物資は中東に配備されており、イスラエルによる事前審査も済ませている」「支援物資を搬入するには、境界が開かれている必要がある。そしてもちろん、ガザ地区内で治安、そしてある程度の法と秩序が保たれている必要がある」と続けた。

GHFは、イスラエルがガザへの物資供給を2か月以上完全に遮断し、大規模な飢饉の警告が出された後、5月26日に活動を開始。公式には民間団体としているが、資金は不透明で、米国とイスラエルの支援を受けている。

GHFは12日、同日だけで約260万食、これまでに計1860万食以上を配布したと発表した。(c)AFP