【5月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のイタリア司教協議会は28日、過去2年間に未成年者または脆弱(ぜいじゃく)な成人に対する虐待疑惑を69件記録し、そのほとんどは教区内で発生したと明らかにした。

教区内における聖職者による性的虐待対策の進捗状況を追跡するために作成された98ページの報告書によると、2023年と2024年に発生した虐待疑惑69件には118人の被害者が関与しており、その約3分の1は10~14歳だった。

2022年の調査では、32件の虐待疑惑が確認され、54人の潜在的な被害者が記録されている。

28日の報告書で特定された事件のうち11件は性的関係、19件は性的虐待、25件は身体接触に関するものだった。

加害者とされる67人のうち、44人は聖職者、15人はその他の宗教関係者、残りは教区内で働く一般人だった。平均年齢は50歳で、65人が男性だった。

イタリア司教協議会は、潜在的な被害者と加害者の増加は「過去に隠されていた事実や状況の顕在化と解釈できる」との見解を示す一方、「しかし、これはキリスト教共同体の教会生活と社会生活に今も残る傷として、依然として認識されなければならない」と続けた。(c)AFP