【4月24日 AFP】女子テニス、世界ランキング2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、厳しい反ドーピングの制度は選手にとってストレスになると認めつつ、自身は汚染された睡眠補助剤で禁止物質に陽性反応を示し、「最悪を経験した」と語った。

テニス界では、シフィオンテクと男子世界1位のヤニック・シナー(イタリア)が故意ではないドーピング違反により陽性反応を示し、選手の間で不安が広がっている。

シフィオンテクは、睡眠補助として服用した市販のメラトニンに禁止物質のトリメタジジンが含まれていたとして、昨季終盤に不正監視団体ITIAから1か月の出場停止処分を受けた。

シナーも、専属の理学療法士が手の切り傷の治療に禁止物質のクロステボルが含まれた市販のスプレーを使い、同物質に2度陽性反応を示したとして、現在3か月の出場停止処分を受けている。

シフィオンテクは、反ドーピングのルールを守るため、選手が二重三重に注意を払わなくてはならないことについて問われ、「少し不安にはなる。私だけの話ではない。個人的にはシステムにある程度慣れているし、最悪も経験してきた。私の場合は、そこから戻ってくることができ、問題を解決できた」と答えた。

その一方で、自身とシナーの件で選手の間にパニック状態が生じていることも認識しているとし、「システム全体が非常に厳しい。自分の身に起きたことも、完全にコントロールできるものではなかった。だから一部の選手が、そうしたことが彼女たち自身にも起きるのではないかと常に不安なのは想像できる」と話した。

また、検査を受けられるようにするため、選手が反ドーピング当局に毎日1時間単位で居場所情報を共有しなくてはならないシステムについても「大きなプレッシャーがある。管理するのは簡単ではないが、仕方がない」と言及した。(c)AFP/Reem ABULLEIL