ダボス会議創設者シュワブ氏が退任
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【4月22日 AFP】世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者のクラウス・シュワブ氏(87)が会長・理事を退任したと発表した。世界の政財界要人がスイスの高級スキーリゾート地ダボスに集う年次総会「ダボス会議」で知られるWEFの歴史が、一つの節目を迎える。
シュワブ氏はWEF理事会に対し、「88歳を迎えるに当たり、会長および理事職を直ちに辞することを決めた」と伝えた。
シュワブ氏は昨年、執行会長を退任し、元ノルウェー外相のボルゲ・ブレンデ氏に日常の運営を引き継いだ。
WEFは、ピーター・ブラベックレッツマット副会長が暫定理事長に任命され、シュワブ氏の正式な後任を選考する委員会が設置されたと明らかにした。
WEF理事会は、シュワブ氏の足かけ55年にわたる「卓越した業績」を称賛した。
工学と経済学で博士号を持つシュワブ氏は、ジュネーブ大学の経営学教授だった1971年、WEFの前身となる「ヨーロッパ経営フォーラム」を創設。
最初の会議参加者は500人足らずだったとされるが、シュワブ氏は後に政財界のリーダーや主要な非政府組織(NGO)、労働組合、市民社会の代表を招待することで参加者層を広げ、ネットワーキングとアイデア交換の場として発展させた。
年を追うごとに「ダボス人」と呼ばれる各国の富裕層や有力者が、スイスアルプスの山あいで行われる公開討論やアフタースキーの社交に加わろうと競い合うようになり、今では、経済界が監視の目を気にすることなく各国政府当局者にロビー活動を展開できる場を提供しているにすぎないといった批判も上がっている。(c)AFP