教皇死去、そして次なる教皇へ バチカンの儀式と選挙の流れ
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【4月21日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が21日、88歳で死去した。教会は、何世紀にもわたって受け継がれてきた伝統に従い、新教皇の選出に入る。
■空位期間
教皇の死去から新教皇の選出までの期間は「使徒座空位(Sede Vacante)」と呼ばれる。この間、教皇の代わりに日常業務を担うのが「カメルレンゴ」と呼ばれる上級枢機卿で、今回はフランシスコ教皇により2019年に任命されたアイルランド系米国人のケビン・ファレル枢機卿が務める。
カメルレンゴの主な役割は教皇の死を確認することで、かつては銀のハンマーで額を3度叩き、出生名を呼びかけて応答の有無を確認していた。
また、教皇ごとに鋳造される「漁夫の指輪」と呼ばれる印章指輪を破壊する役割も担う。かつては偽造防止の目的があったが、今では教皇の在位の終わりを象徴する儀式として行われる。
■伝統を破る簡素な葬儀
世界中の枢機卿による「枢機卿総会」が開かれ、葬儀の日程を決定する。葬儀は死後4~6日以内に行われ、「ノベンディアレス」と呼ばれる9日間の喪の期間についても決められる。
これまでの教皇はイトスギ、鉛、ニレ材からなる三重のひつぎに納められてきたが、フランシスコ教皇は一重で簡素なひつぎを希望していた。
遺体は信者が弔問できるよう、サン・ピエトロ大聖堂の棺台に安置されるが、教皇はひつぎのふたを開けたままにするよう指示していたという。
高位聖職者によると、こうした変更は「教皇とはこの世の権力者ではなく、キリストの弟子である」というフランシスコ教皇の信念を反映している。
さらに、最近の歴代教皇はサン・ピエトロ大聖堂に埋葬されたが、フランシスコ教皇はローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂への埋葬を望んでいた。