体操界の女王バイルス、24年パリ五輪出場目指す意向
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【9月8日 AFP】五輪で4個の金メダルに輝く体操界の女王シモーネ・バイルス(Simone Biles、米国)は7日、競技復帰が軌道に乗っている中で、2024年パリ五輪で「ぜひとも」さらなる金メダルを追い求めたいと語った。
米NBCテレビの番組「トゥデー・ショー(Today Show)」で、2年間の休養を経て競技復帰を果たしてから初めてインタビューに応じたバイルスは、パリ五輪を計画に入れていることを認め、「ぜひとも行きたい道のり」だと語った。
8月には二つの大会に出場し、跳馬では他の女子選手が誰も大会で挑戦したことがない大技で自身が得意とする「屈身ユルチェンコ2回宙返り」を2度成功させるなど、本来の輝きを放った。
中でも全米体操選手権(U.S. Gymnastics Championships 2023)では女子個人総合で歴代最多8度目の優勝を飾り、9月30日から10月8日までベルギー・アントワープ(Antwerp)で開催される世界体操(52nd FIG Artistic Gymnastics World Championships)では、これまで獲得した19個の金メダルをさらに増やせるポジションにつけた。
バイルスは4月に米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のグリーンベイ・パッカーズ(Green Bay Packers)でプレーするジョナサン・オーウェンズ(Jonathan Owens)と結婚。競技と私生活のバランスを保つために、競技上の目標についてはこの日まで「少しばかり秘密主義」を貫いていた。
2016年のリオデジャネイロ五輪で四つの金メダルに輝くなど、体操界の絶対女王に君臨していたバイルスだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で2021年に延期された東京五輪では、空中で平衡感覚を失うメンタルブロック状態「ツイスティーズ」に悩まされ、大半の種目を棄権して連覇を断念した。
このときの棄権がエリートスポーツ界におけるメンタルヘルスの問題の分岐点として称賛されたバイルスは、パリ五輪を見据えているとはいえ、これからも自身のメンタルヘルスと向き合い続けることを改めて強調。「もう少し自分を大切にし、体に耳を傾けていく必要があると思う」と話し、体操選手としていかに自分が変わったか説明した。
「人生の重要なことに自分の時間を割くようにしている。以前はとにかく行け、行け、行けという感じで、時間をつくることは後回しになっていた」
「今では意識的に行動できている。セラピーに通い、ジムで全力を尽くすこと、良き妻、良き娘、良き友でいることなど、全ての物事をうまく調整できるように心掛けている」 (c)AFP
