【6月6日 AFP】ドイツ植民値時代のナミビアから略奪された宝石や生活道具などの文化財23点が5月30日、無期限の貸与という形でドイツからナミビアに戻された。

 両国間の関係改善を目指すプロジェクトの一環で、ベルリン民族学博物館(Berlin Ethnological Museum)とナミビア国立博物館(National Museum of Namibia)の3年間の協議の末に実現した。

 今回ナミビアに戻された文化財は主に1860年代から1890年代にかけて略奪されたもの。まだ多数の文化財がドイツ国内に残っている。

 文化財は、ベルリン民族学博物館からナミビア国立博物館に届けられた。一般公開されるとともにナミビアの研究者も利用できるようになる。

 昨年5月、ドイツは植民地時代のナミビアでジェノサイド(集団殺害)に関与したことを認め、被害者の子孫に10億ユーロ(約1380億円)の経済的支援を行うと約束したが、活動家らはドイツの残虐行為の補償としては不十分だとして拒絶している。またナミビアの活動家の間では、ドイツ側が返還ではなく無期限の貸与としたことに疑問を呈する声も上がっている。(c)AFP