【6月25日 AFP】エチオピアの国営メディアは24日、アムハラ(Amhara)州で22日に州高官らが殺害された事件で首謀者とみられていた同州の治安警備当局トップを現地警察が射殺したと報じた。

 警察が殺害したのは、アムハラ州治安警備当局トップのアサミヌ・ツィゲ(Asaminew Tsige)容疑者。アサミヌ容疑者は、同州高官殺害の数時間後に起きたエチオピア陸軍参謀総長殺害への関与も疑われていた。

 22日にアムハラ州の行政や司法のトップを含む州高官らが殺害された。エチオピア首相官邸は主犯格としてアサミヌ容疑者の名前を挙げていた。

 アムハラ州の事件から数時間後には、サアル・メコネン(Seare Mekonnen)陸軍参謀総長が首都アディスアベバの自宅で、自らの護衛官によって射殺される事件も発生。エチオピア政府は「連動した攻撃」とみられるとしているが、二つの事件のつながりや動機について詳細は明らかにされていない。

 エチオピア国営放送EBCは、アムハラ州の主要都市バハルダール(Bahir Dar)で「先週末のクーデター未遂から身を潜めていたアサミヌ・ツィゲ容疑者が射殺された」と報じた。

 同容疑者は2009年にクーデターを計画したとして10年近く服役したが、ハイレマリアム・デサレン(Hailemariam Desalegn)前首相および改革路線のアビー・アハメド(Abiy Ahmed)現首相の下で行われている大規模な恩赦を受けて、昨年釈放されたばかりだった。

 アサミヌ容疑者について専門家らは、強硬なアムハラ民族主義者で、民兵組織を結成しようとしていたことやアムハラ州に隣接するティグレ(Tigray)州の領域を要求する言論などが原因で、解任されそうになっていたと説明する。

 アサミヌ容疑者は最近、フェイスブック(Facebook)に投稿された動画に登場し、攻撃に備えて武装するよう一般市民に呼び掛けていた。