なんとも言えないアンバランスさがとても印象に残った。
シャボン玉の前では、まじめな顔の警備隊のほうが滑稽に見えてしょうがない。
全く違うものどうしの併存が化学反応を起こしている。
さて、この女性は何を思って、シャボン玉をふかしているのか。
穏やかで苦のない生活への期待か、どうしようもない日常や政府への冷笑か。
何を思っているにせよ、このシャボン玉の存在は脆く、儚いその性質とは相反するように非常に力強く見える。そして私はシャボン玉にイエローベスト運動を重ねるのだ。
実は脆くすぐに消えてしまうものだとしても、効果的に訴えかける。
彼ら自身とこの綺麗な球体が似ていてほしい。

明治大学 平野 晶 経済格差セクション