この写真を見たとき、彼はブリュッセルで発生した連続テロによる犠牲者やその家族、多くの市民が感じている痛みを理解し、またそれに共感しているのだと思った。この少年自身も難民であり、苦しい境遇に置かれているにも関わらず、他の人を想う優しさを持ち合わせていることに驚いたが、この優しさこそが人間の持つ素晴らしい能力なのだと実感した。
子供を持つ家族やその他多くの人が難民キャンプで暮らすことになった経緯は祖国における政治的迫害や戦争、紛争、経済的理由など様々だが、痛みを知っている分、また平和と対照の状態を知っている分、彼らは平和というものを誰よりも知っているのではないだろうか。だから、先進国で暮らす人びとの誰よりも平和を求めているのだと思った。

成蹊大学 小故島 汐里 移民セクション