欧米では、少なからぬ数の人々が移民排斥・難民受け入れ反対の主張に賛同している。一般に彼らがその理由を語る時には「犯罪が増加する」「移民を養う為のコストがかかりすぎる」「宗教や文化の異なる人々と共生できるとは思えない」といった、素朴な生活上の不安を訴えることが多いだろう。しかし、本当にそれらは人種的な差別感情を抜きにして語られるものだろうか?もちろん差別感情は持っておらず、本当にそのような不安から移民・難民受け入れ反対を訴える人も多いだろう。反対派に対して、ただちにそうした疑いを差し向けるのはむしろ間違っているかもしれない。しかし、実際にテレビの前で、必死に国境を越えて駆けてゆく外国人の子供を蹴り上げる女性も確かに存在するのだ。移民・難民受け入れ論議では、自分たちの主張の背景として偏狭な差別感情がないといえるか、改めて自問する必要もあるだろう。この写真は、たった一人の憎悪感情のみから発生した事件を撮ったものではないと考え、この写真を選定した。(ペンネーム:くすのき)

早稲田大学 移民セクション