【2月27日 AFP】韓国の昨年の出生率が過去最低を更新し、初めて1.0を割り込んだ。政府の統計データで27日、明らかになった。世界でも最低水準の出生率を回復するため、韓国政府は多数の措置を講じているが効果は表れていない。

 韓国では2018年、一人の女性が生涯に産む子どもの数の平均を示す合計特殊出生率が0.98に低下。現在の人口を維持するのに必要な人口置換水準の2.1を大幅に下回った。

 2017年の出生率は1.05で、それまで過去最低だったが、18年はさらにこれを更新。韓国統計庁は「政府がデータ収集を開始した1970年以降、初めて出生率が1を割り込んだ」と発表した。

 現在の韓国の人口は約5100万人で、2028年に人口減少に転じるとこれまで予想されていた。しかし、それ以前から減少が始まる可能性も出てきた。

 韓国政府は2005年以降、出生率の向上のために135兆ウォン(約13兆3000億円)の巨額を支出し、子ども手当の支給や、若者を対象に結婚と出産を奨励するキャンペーンなどを展開してきたが、成果は出ていない。

 多くの専門家からはその原因として、子育て費用の高さや若者の高失業率、働く母親に家事と子育ての二重の負担がかかることなどが挙げられている。(c)AFP