【2月27日 AFP】スイスの資源商社グレンコア(Glencore)は20日、低炭素経済に対応するため、石炭生産を制限する一方、他のエネルギー関連産品への投資を優先していくと発表した。

 発表によると同社は、クリーンなエネルギーとモビリティー(移動)に移行していく上で不可欠な産品の生産を拡大する一方、石炭の生産能力はおおむね現在の水準に制限するという。

 電気自動車がガソリン車やディーゼル車に取って代わることができるかどうかは、バッテリーの性能とその生産コストにかかっているとみられている。同社はすでに銅、コバルト、ニッケル、バナジウム、亜鉛といったバッテリーの素材となる資源を扱っているため、低炭素経済への移行を支えるには良い立場にあるとしている。

 アイバン・グラゼンバーグ(Ivan Glasenberg)最高経営責任者(CEO)は記者会見でこの方針について、「会社の利益にとって最善だと考えている」と述べた。

 グレンコアの2018年の業績は、石炭はオーストラリアでの炭鉱買収により生産量が前年比7%増となり売上高は同26%増の123億ドル(約1兆3400億円)だった。しかし全社の純利益は同41%減の約34億ドル(約3800億円)だった。

 世界の二酸化炭素排出量は2014~16年わずかに減少したが、その後は上昇傾向にある。全体の約40%を石炭によるものが占めている。(c)AFP