「トーク・トーク」のマーク・ホリスさん死去、ポストロックの先駆者
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【2月26日 AFP】英ニューウェーブバンド「トーク・トーク(Talk Talk)」のフロントマンだったマーク・ホリス(Mark Hollis)さん(64)が死去した。バンドの元ベーシスト、ポール・ウェッブ(Paul Webb)さんが25日、明らかにした。死因は不明。
ウェッブさんは自身のフェイスブック(Facebook)に「マーク・ホリスの訃報に非常にショックを受け、悲しみに沈んでいる」と投稿。「彼は音楽の天才だった。彼のバンドで活動できたことは名誉であり特権でもあった」とつづった。
ホリスさんは1955年1月4日に英ロンドンのトッテナム(Tottenham)に生まれた。1981年にロンドンでトーク・トークを結成。シンセポップの「トーク・トーク(Talk Talk)」「イッツ・マイ・ライフ(It's My Life)」「サッチ・ア・シェイム(Such a Shame)」などが大ヒットし、トーク・トークは80年代の欧州音楽シーンで名声を獲得した。1986年リリースのアルバム「ザ・カラー・オブ・スプリング(The Colour of Spring)」では、ギターやピアノ、オルガンを取り入れた即興的なサウンドで音楽の方向転換を試み、後に「ポストロック」として知られることになるジャンルを開拓した。
トーク・トークの音楽は、英ロックバンド「レディオヘッド(Radiohead)」やアイスランドのポストロックバンド「シガー・ロス(Sigur Ros)」などの著名グループにも影響を与えた。しかし、即興演奏を主とする楽曲はツアーを困難にした。さらに、レコード会社との関係が悪化し、バンドは1991年に解散。その後、2003年に米カリフォルニアのロックバンド「ノー・ダウト(No Doubt)」が「イッツ・マイ・ライフ」をカバーしたことから、米国で一時的にトーク・トークの人気が復活した。
ホリスさん自身は、1998年にセルフタイトルのソロアルバム「マーク・ホリス」をリリースしているが、その後はほとんど公の場で姿が見られなくなっていた。
ウェッブさんは、ホリスさんを追悼するフェイスブックの投稿で「彼は音楽や空間を用いて、他にはない情感の深みを生み出す方法を知っていた。一番偉大とは言えなくとも最も偉大な音楽家の一人だった」と振り返った。
これまでのところ、ホリスさんの代理人らから訃報に関するコメントは得られていない。(c)AFP