【12月29日 AFP】インドネシアを襲った津波による犠牲者を捜索していた救助隊が、がれきが散乱した海岸で発見したのは、海洋ごみの山にはまり込んでいる巨大なウミガメだった――。このカメは、救助隊員4人がかりで海に戻されたが、津波で壊滅的な被害を受けた同国の沿岸では、絶滅が危惧されるウミガメが救助される事例が相次いでいる。
 
 津波で大きな被害を受けたスマトラ(Sumatra)島ランプン(Lampung)州の捜索救助隊員は28日、AFPの取材に対し、「ウミガメは非常に大きく、ほぼあおむけの状態でごみの山にはまり込んで動けなくなっていた」と語り、ウミガメの重さは「おそらく30キロ」はあったと述べた。

 この地域では今週、他にも15匹前後のウミガメが救助されている。ランプン州野生生物保護当局のテグ・イスマイル(Teguh Ismail)局長は、救助されたウミガメについて、「津波で海岸に打ち上げられたと考えている」が「無傷だったので海に戻した」と述べた。

 22日夜に発生した津波は、ジャワ(Java)島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡(Sunda Strait)に位置する火山島、アナク・クラカトア(Anak Krakatoa)の噴火により、火口の一部が崩壊して海に流れ込んだために発生したとみられている。

 28日時点で、津波による死者は430人に上り、159人がいまだ行方不明となっている。生存者の発見はもはや絶望的だが、捜索対象は人だけではない。

 前出の捜索救助隊員は、「他にも岸に打ち上げられているウミガメがいないか、注意して捜索していく」「私たちにとっては、すべての命が大切だ。人であっても動物であっても、すべての救助を目指している」と語った。(c)AFP