【12月27日 AFP】男子テニス、世界ランキング4位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)が、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)における最終セットでのタイブレーク制導入を批判した。ズベレフは、選手たちは相談されず、大会から「特別なもの」を奪うことになると主張している。

 来月14日から27日にかけて開催される全豪オープンの主催者は先日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)に続き、最終セットのアドバンテージ・セット制を廃止することを決定した。これにより、最終セットで6-6で並んだ場合、10ポイント先取のタイブレークで決着をつけることになった。

 しかし、テニス界の未来を担う存在と目され、今年大躍進を果たした若手スター選手であるズベレフは、この新方式に好意的でない。

 男女混合国別対抗戦の第31回ホップマンカップ(Hopman Cup XXXI)に向け、オーストラリア・パース(Perth)で調整を行っているズベレフは、地元紙に対し「僕たち選手に全く相談がなかった。正直に言うと、意見を求められた選手は一人もいなかったと思う」とコメントした。

「この変更はあまり好きじゃない。第5セットを12-10やそれに近いスコアで取って勝利すれば、特別に感じられるからだ」「僕はそういった状況や試合を本当に楽しんでいた。たとえそれが肉体的にタフだったとしても」「これで、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)を除く全ての四大大会(グランドスラム)でタイブレークが採用されることになった。僕は支持しないが」

 全豪オープンの主催者は今月、「大会史に残る大規模な協議を重ねた上で」の決断だと明かしていた。

 大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は、「われわれは過去と現在の選手たちをはじめ、コメンテーター、エージェント、そしてテレビ解説者に最終セットはアドバンテージ・セットが望ましいかどうか尋ね、そこから事が動いた」と説明。

 さらに、10ポイント先取のタイブレークによって「試合が大激戦となり特別な形で決着がついたという印象を、ファンがこれまで通り持てることになる」と述べた。

 10月にはウィンブルドンが、ゲームカウントが12-12で並んだ場合に限り、最終セットでタイブレークを導入することを決定。ルール変更のきっかけとなったのは、今年の男子シングルス準決勝でケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)とジョン・イズナー(John Isner、米国)が、最終セットで3時間近くに及ぶ死闘を演じたことだった。

 結果的にはアンダーソンが最終セットを26-24で制したものの、これで消耗しきってしまった同選手はノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)との決勝でストレート負けを喫し、ルール変更を訴えていた。(c)AFP