【12月15日 AFP】「インド独立の父」マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)がアフリカ系の黒人に対して差別的だったとの批判を受け、ガーナの名門大学に設置されていたガンジーの像が撤去された。

 平和のシンボルとして国際的な知名度を誇るガンジーの像は2年前、当時インドの大統領だったプラナブ・ムカジー(Pranab Mukherjee)氏が、両国の友好関係の象徴として首都アクラのガーナ大学(University of Ghana)に設置した。しかし大学教師らは直後、インド人がアフリカ系の黒人より「はるかに優れている」と記したガンジーの文章の一節を取り上げ、像の撤去を求めた。

 学生や教師らの話によると、首都アクラのレゴン(Legon)にあるキャンパスに置かれていたガンジーの銅像は、11日の夜にかけて撤去されたとみられる。

 大学当局はコメントを拒否した一方、同国外務省は「大学の内部判断だ」とだけ述べている。

 こうした抗議運動はアフリカ各地の数多くの大学でも繰り広げられた。アフリカ南東部のマラウイでは、ガンジーが黒人に対して人種差別的発言を行ったとして、中心都市ブランタイヤ(Blantyre)でのガンジー像建立を中止するよう求める運動が展開されている。

 ガンジーは1893年から1915年まで、南アフリカで弁護士として働いていた。祖国インドでガンジーは一般的に、英国によるインドへの植民地支配に対する非暴力の抵抗を顕彰されているが、アフリカにおけるガンジーの遺産はより複雑なものとなっている。(c)AFP